
一般の園芸植物にも、斑入の植物は広く普及して楽しまれています。葉に様々な斑が入った植物は、花が咲いていないときでも目を楽しませてくれます。今では、なくてはならない大きな分野になっていると言っても過言ではないでしょう。
山野草の斑入となると、園芸植物とは違い、価値がグンと高くなります。ヤブコウジやオモトなどは、その昔一株がちょっとした家一軒ほどの値段にまで高騰して、取引禁止令が出たこともあったそうです。そんなことから、ヒマさえあればあちこちの山に入って、斑入山野草を探して歩く人たちが、全国にはかなりいるようです。
せっかく山で見付けて持ち帰り、鉢で大事に育てたのに、翌年芽が出て成長してみると、すっかり斑が消えて、いわゆる”青っ葉(あおっぱ)”になってしまったという例もたくさんあるようです。
そもそも、斑入というのは、突然変異で葉に斑が出たとか、病気のためとかいわれていますが、まだはっきりした原因はわかっていないようです。自然の環境と大きく異なる鉢植えという環境におかれて、山野草も戸惑うことでしょう。
さて、今回の話は、その斑入山野草の、しかも何年間も斑がしっかり固定していたものが消えてしまったというわたしの失敗談です。
前にも述べたように、ちょっとした斑入の山野草は、今でも数万円もするものがいっぱいあります。そういう価値の高いものは、つい大事にしたくなるものです。どうしても、肥料もたくさんやりたくなります。
山野草の場合、あまり肥料をやって大きくなりすぎると野趣がなくなって、おもしろみが消えてしまいます。それでも、肥料が少ないと花付きが悪くなって、花が咲かないということにつながりかねません。山野草の難しいところです。
肥料には、大きく分けて元肥と追肥があります。山野草の元肥は、植え替えの時に鉢底に入れるのが普通です。追肥は、有機肥料、一般的には骨粉入りの油かすの固形状のものを鉢の上に乗せてやりますが、その他、液肥という水に薄く溶かして使うものがあります。
固形の油かすは、天然の素材で、しかも水やりや雨でゆっくりと溶けて効いていきます。これに対して、液肥はというと、水溶液ですから、速効性です。一般の園芸植物では、1000倍に薄めて使いますが、山野草の場合は、2000倍以上に薄めて使います。
どうも、この液肥が斑入山野草の斑が消えた原因ではないかと、最近になって思うようになりました。つまり、速効性の肥料が斑を消滅させたのではないか?
何人かに聞いて見たところ、肥料は必ず使っているという答えが返ってきます。しかも、元肥には「マグアンプK」を使う人がほとんどです。ということは、化学肥料が悪いということにはならないようです。肥を使っているという人には、今のところ出会っていません。
しばらく前に気づいていたので、それからは斑入山野草には、液肥を使うのを、ぴたっと止めています。すると、完全に”青っ葉(あおっぱ)”になってしまったもので、斑が戻ってきたものが出始めました。何種類も斑が消えてしまい、まだ斑が戻ってきたのは一部にすぎませんが、かなり確信を抱いています。
斑入山野草には、速効性肥料(液肥)は禁物です。
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